第2期 明和町地域福祉計画・地域福祉活動計画

 これまで、高齢者福祉、障がい者福祉、児童福祉などそれぞれの分野ごとに課題を整理し、福祉サービスの充実や地域で支える仕組みづくりが図られてきました。
しかし、子どもの減少、親と未婚の子のみの世帯の増加、ひとり暮らし世帯の増加、人づきあいの希薄化などが進み、虐待、引きこもり、生活の困窮など新たな生活課題も顕在化する中、孤立することなく、みんなが同じ地域に暮らす住民としてお互い支え合い、自分らしく暮らすことができるような仕組みづくりが求められています。

 本計画においても、前回計画の理念を引き継ぎながら、今日の明和町の現状や新たな課題に対応するため、住民・行政・社会福祉協議会が協働して取り組むべき地域生活の課題を整理し、住み慣れた地域で安心してその人らしく暮らし続けることができる町づくりの実現をめざします。

計画の体系図

基本理念

「地域福祉計画」(行政計画 )と「地域福祉活動計画」(民間計画)

 地域福祉の推進に関する事項を一体的に定める「地域福祉計画」と、地域に暮らす人々等が相互に協力して地域福祉を推進することを目的とする「地域福祉活動計画」は、車の両輪のような関係です。

 これまで明和町と社会福祉協議会は、相互に連携しながら地域福祉の推進を図ってきました。今後も同じ理念・方針・目標のもと、いっそう連携を図っていくために、2つの計画を合同で策定することとします。また、地域福祉の推進にあたって、住民・行政・社会福祉協議会それぞれの役割を明確化し、誰もがわかりやすく取り組みやすい計画となることを目指します。

計画イメージ1

計画の期間

計画イメージ

第2期 明和町地域福祉計画・地域福祉活動計画

2024年度2030年度までの6か年計画として、「第2期 明和町地域福祉計画・地域福祉活動計画」を策定しました。

第2期 明和町地域福祉計画・地域福祉活動計画(PDFファイル:2.7MB)

ご挨拶

明和町長 下村 由美子

 明和町では、平成31年策定の「第1期明和町地域福祉計画・地域福祉活動計画」を福祉関連計画の最上位計画として、「みんなでつながって明るく暮らせる和の町めいわ」を実現に向けて取り組んできました。

 しかしながら、核家族化と少子高齢化の急速な進行による社会構造の変化や、人びとの価値観やライフスタイルの多様化により、家族や地域でのつながり、支えあう意識が希薄化し、コミュニティ機能が低下してきています。地域福祉の分野における課題も、高齢化、介護、障がい、子育て、生活困窮、防災等多岐にわたり、さらには、こうした課題を複合的に抱える方や家庭への支援の重要性は、益々、高まっています。

 これまでも、町は分野ごとに様々な相談窓口を設けて課題解決の支援に取り組んできましたが、より一層、組織・制度・立場等を越え、皆が一丸となって地域福祉の課題に取り組むことが求められています。

 そこで、明和町の地域福祉の推進する指針として「第2期明和町地域福祉計画・地域福祉活動計画」を策定しました。この計画は、第1期の計画理念を引き継ぎつつ、さらなる地域福祉の充実を目指して取り組んでまいります。

 ぜひ、計画の理念、趣旨をご理解の上、町民や事業所の皆様も地域福祉の推進にご協力をいただきますようお願い申し上げます。

 結びに、本計画の策定にあたり、ご尽力を賜りました計画策定・推進委員会委員の皆様をはじめ、貴重なご意見をいただきました町民・関係団体等の皆様に心より厚くお礼申し上げます。

令和6年3月

社会福祉法人明和町社会福祉協議会 会長 西山 隆

 近年は著しい変化の中にあり、人口減少・少子高齢化、未曾有の地震被害によるコミュニティ崩壊のリスク、気候変動の影響による自然災害の激甚化や頻発化等のリスクが多大な影響を与えています。また、以前から課題であった空き家問題などの地域課題に加えて、新型コロナウイルス感染症は、社会的孤立や生活困窮など社会問題を顕在化させました。

 このような状況下で、明和町社会福祉協議会では第1期計画策定後の社会情勢や法改正への対応を踏まえ、コミュニティの基盤となる安心して暮らせる地域をつくるため、近所どうしのつながりを大切にする活動への支援や、地域を限定しない、個人の自由な参加を前提にしたグループ活動の支援、災害時の被害を軽減するための、近所どうしの見守りや支え合い活動の支援など、地域コミュニティを育て、みんなが安心して暮らせる町をみんなの協力により創っていくことを推進してまいりました。

 第2期でも、地域福祉計画・地域福祉活動計画を一体計画として策定し『みんなでつながって明るく暮らせる和の町めいわ』を基本理念に、第1期計画を踏襲しつつ、その内容を皆さんに分かりやすくするため具体案を示すことにいたし、より着実に計画を推進できる体制を作りました。

 最後になりますが、本計画の策定にあたり、短期にも関わらず、積極的にご意見をいただくなど多大なるご尽力を賜りました、明和町地域福祉活動計画策定・推進委員の皆様に心からお礼を申し上げます。

明和町地域福祉計画策定・推進委員の感想

委員長 牧里 毎治(関西学院大学名誉教授)

 このたびは本計画の策定に委員長として参画する機会をいただきました。町民として役割を担うことができまして、晴れがましくも光栄に思っています。移住して5年目の新住民ですが、これまでの関西での計画策定経験を期待していただいたものと理解しています。

 本計画は、住民生活を守る行政計画と支え合いの福祉文化を育む民間計画を両立させる合わせ技のプランになっています。行政サービスの充実と民間活動の促進を車の両輪のように推進することが地域の福祉を豊かに深めるという理念に基づいています。

 住民と行政と社協の取り組む目標を掲げて、それぞれ協働してなすべきことを考え実行することが、一人の不幸を見逃さないつながりのある暮らしを創りだすと確信しています。6年間という長いようで短い計画期間ですが、地域の福祉は自分たちで創るという気持ちの持ち主がふえることを期待し、明和町の未来は明るいといえる取り組みを望みます。

副委員長 朝倉 惟夫(ボランティア連絡協議会代表)

 ボランティアの方の世代交代がうまく進まず新しく参加して下さる活動者数が減少傾向にあるように感じています。かつての様な奉仕精神が少し薄らいできたのかなと思います。生活に密着したボランティア団体が増えています。防災の減災意識の高まりもあり、啓蒙活動をしているボランティア団体が増えていることは有難いことだと思います。この計画を通じてもっとボランティア活動が活発になればと感じています。

委員 奥山 光宏(斎宮地区代表自治会長)

住み慣れた地域において、それぞれの実情に応じたかたちで行政や福祉等の関係機関と住民が一体となって支え合って共に生きることができる社会づくりや地域におけるニーズ・生活課題を洗い出し、その解決に向けて取り組みの方向性や基本的な考えを話し合えたこと、本計計画策定・推進委員として関われたことにより地域福祉に強い関心を持ちました。
今後、明和町の地域福祉を向上させるためには、住民が地域社会を構成する一員として、福祉の心の必要性を共有し、本計画の施策を展開していく上で住民に対し積極的な周知・啓発に努め、それぞれの役割を認識し、連携・協力して取り組むことが重要であると考えます。
改めて、福祉とは何かを考えることができました。
つまり「公的サービスにより、生活をより良くすること」だと感じました。 

委員 福来 次郎(下御糸地区代表自治会長)

 福祉と聞いてすぐに高齢者や障がいを持つ人、幼児、児童のイメージが思い浮かびます。この委員会に参加してわかった事ですが、子育てで悩んだ時や病気をして困った時など人の手が必要な時があり、普段何事もなく生活を送っている人にも、いったん事が起こると人の手助けが必要になる時が誰にでも起こりうるという事です。そのような時に、行政や福祉に関係する団体、組織が手を差し伸べるようになっていれば安心して暮らせる街に、住んでいてよかったなぁと思える街に、みんなで一緒にしていけたらいいなぁと思っています。

委員 菊矢 照子(老人クラブ連合会代表)

 まず第一番に組織的な高齢者の社会参加の促進や、シニア就労、他にもいろいろな方策など、広い視野でみても大変だなと感じております。老人クラブでは委員会を通じて、いろいろ関わりいただきました事、真にありがとうございました。今後、計画の推進を通じて高齢者の活躍の場が増える事を期待しています。

委員 加藤 幸弘(わだち(障がい者(児)保護者の会代表)

 このような重要な会議に参加することになり、初回から心配や不安がありましたが、身近な老人会の事や増えつつある空き家問題などが議題になり、皆さんの意見を聞くことができ、大変勉強になりました。障がい者の問題なども議題になればと思いました。

委員 綿民 和子(明和町議会 教育厚生常任委員会 委員長)

 地域福祉計画・地域福祉活動計画策定に参加できて、とても嬉しく思うと同時に、明和町の現状やこれからの課題がみえてきました。少子高齢化が進み、高齢者の健康寿命を伸ばす活躍の場づくり、また障がい者を取り巻く環境などです。この計画を通し、計画だけにとどまる事なく、誰もが住みたい、住み続けたい、そんな素晴らしい明和町になればとの皆さんの想いがいっぱい詰まった計画策定に共にたずさわれる事ができ、ありがとうございました。

委員 辻 美穂(教育委員会 教育委員)

 住民がまちづくりを身近に感じて参加し、生活しやすい明和町をめざすために、「地域福祉計画」と「地域福祉活動計画」を行政と民間が合同で策定する事は意味があると感じました。策定に参加し、地域福祉は多くの人の知恵と協力が無ければ成立しないとよくわかりました。今回、自治会等多岐にわたる方々が策定にあたりましたが、私も含め、この方々が各団体等へ今回感じたことを持ち帰り、それぞれが違う立場で、できる事を継続していってもらうことが、また意味のあることのように感じています。

委員 橋本 允聖(三重県社会福祉協議会)

 地域福祉計画・活動計画策定に関わらせていただきありがとうございました。現在、三重県内の市町においても、明和町と同様に人口減少・少子高齢化、ライフスタイルの多様化等の影響が様々な形で地域の課題となって顕在化してきています。そのような中で、本委員会に様々な立場の方が参加し、住み慣れた地域で安心してその人らしく暮らし続けることのできる町づくりのための指針を協議していくことは重要だと思います。今後も明和町における課題・ニーズを共有し、計画推進のお役に立てるように県社協として協力していきます。

委員 辻井 夕美子(介護老人福祉施設 明和苑 施設長)

 明和町の住民の方々、行政、社会福祉協議会の皆様と共に明和町の現状と課題を話し合う機会に参加させていただいたことを感謝申し上げます。子供から高齢者まで、住み慣れた明和町で安心して、また自分らしい暮らしができるようにこの地域の活動を最大限に利用することで実現できると思います。なおこの活動を住民の皆さんに広く周知し、継続的な取り組みを切に希望致します。

委員 森本 信也(認定こども園 明和ゆたか園 園長)

 今回の策定にあたり地域福祉における「繋がり」の重要性をより強く感じました。繋がりは地域福祉の基盤であり、温かい地域社会の実現に不可欠だと思っています。明和町も高齢化が進む中、これからも社会参加し続け自分らしく生き生きと活躍できるように健康増進に取り組むことが大切で、子どもから大人、子育て中や産前産後の方、障がいをお持ちの方も含め、誰もが心豊かに安心して繋がれるように、住みやすい魅力ある町づくりを役所だけでなく地域住民も切り開いていくことが大切だと思います。その為に地域住民が交流を通して繋がり、共感し合い、助け合うことで地域も活性化し、誰もが安心して暮らしていける地域社会が作られるのではと感じました。

委員 西口 義秋(民生児童委員協議会 副会長)

 住民の高齢化と人口減少、少子高齢化が地域の抱える喫緊の課題として言われるようになってから、これまで数多くの取り組みがなされています。しかしながら有効な手立てが見つからないまま、高齢化、人口の減少が地域社会におよぼす影響は、その深刻度を次第に増してきています。計画の位置づけに描かれていますが、求められる新たな共生から地域に根差した取り組みの必要性が高齢化と人口減少にとって高まり、多様化する生活ニーズに応え、人々の生活機能の維持・強化を図るためには、地域の実態や特徴に着目した取り組みと圏域全体を視野に入れた取り組みの両方を検討する事が必要です。他の市町とも定住自立圏に参加し、各事業で連携していきながら地方圏への人の流れを創出していく事が求められています。

委員 日置 加奈子(住民ほけん課 課長)

 このたび計画策定推進委員として参加させていただいた行政側の関係3課の課長を代表して、本計画策定に関わっていただいた牧里委員長をはじめ、その他の委員の皆様に対し、心からの感謝をお伝えしたいと思います。

 本計画の策定については、委員の皆様よりそれぞれの立場から多様な意見をいただくことができました。今後についても、引き続き意見交換やご助言をいただき、本計画に沿って社会福祉協議会や地域の方々と連携して、具体的な施策を展開し、問題解決に取り組んでいきたいと思います。そして、一人ひとりが支え合い、安心して生活できる地域の実現のために、行政としても精一杯努めてまいりますのでよろしくお願い致します。

この記事に関するお問い合わせ先

福祉総合支援課 福祉総務係
〒515-0332 明和町大字馬之上945番地
電話番号:0596-52-7115
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