議会だより 2013年8月 特集

視察レポート

各常任委員会はそれぞれの調査・研究のため現地視察に行きました。

教育厚生常任委員会 (5月16~17日)

教育厚生常任委員会は5月16~17日に、認定こども園の調査のため大阪府豊能町へ、また、グループホーム・ケアホームの調査のため京都府木津川市にある社会福祉法人京都ライフサポート協会に行きました。

豊能町立ふたば園

 認定こども園の創設に向けてはわが町でも進めているところです。それに伴い、平成23年4月1日より開園されている大阪府豊能町立ふたば園での調査・研究を行いました。

 保育所部では0歳児(生後6ヶ月)から就学前児童まで、幼稚園部では3歳児から就学前児童までの保育・教育を行い、4・5歳児は、混合クラスを編成し共通した保育・教育を行うそうです。幼稚園部の児童には、保育終了後から午後5時までの預かり保育を実施しているそうです。

 カリキュラムは、保育所指針と教育要領とで統合して作成され、職員も保育所と幼稚園免許の両所持者となっているそうです。待機児童もないということで、保育所と幼稚園の年齢が重なる3歳児保育への配慮にも行き届いてました。
 これらのことを参考に、子どもが安心して過ごせる環境づくりに取組んでいこうと改めて思いました。

コの字に設置された長机に参加者が席に座り左奥に立っている男性が発言を行っている白黒写真

充実した意見交換の様子(豊能町立ふたば園)

社会福祉法人 京都ライフサポート協会

 グループホーム、ケアホームの役割は、今後益々期待されています。その必要性は極めて重要であると考え、今回の現地視察となりました。
 京都ライフサポート協会は一人ひとりの人間がありのままに、生き生きと暮らしていくことのできる社会の実現を目指し、ケアホーム、短期入所、就労支援、デイサービス、相談事業など様々な分野で運営されています。

 施設創設にあたっては消防設備の設置、建物の不燃構造、職員配置の3点に着眼したそうです。特に職員配置に関しては、勤務体制や給料のあり方に配慮し、職員の定着を図られたそうです。

 「日本の狭い住宅事情や急激な高齢化が進む核家族社会の中で、障がい者が家庭で暮らすことが全て幸せであるとは言い難い部分もあると思われます。どこで暮らしているか、ということより、どのように暮らしているかがもっと問われなければならない。」との理事長の言葉に大変痛感させられました。
 今後この言葉を胸に、誰もが住みよい町にしていこうと全委員で意を決しました。

みにかいせつ
  • グループホーム(共同生活援助)
    病気や障害などで生活に困難を抱えた人達が専門スタッフ等の援助を受けながら、少人数、一般の住宅で生活する社会的介護の形態のこと。生活支援員は不要。
  • ケアホーム(共同生活介護)
    グループホームと同内容。生活支援員は必要。
庭の左側に大きな窓が設置された横長の建物外観の写真

明るく広い施設(ケアホームあんず京田辺「わくわく」)

総務産業常任委員会 (5月23~24日)

 総務産業常任委員会は5月23~24日に、6次産業の調査のため滋賀県甲賀市にある甲賀もち工房へ、また、災害に強いまちづくりの調査のため兵庫県の人と防災未来センター、津波防災ステーション、北淡震災記念公園へ行きました。

甲賀もち工房

 第1次産業(農林業)、2次産業(製造業)、3次産業(小売業)の性格をあわせ持つ「6次産業」が注目されています。

 滋賀県甲賀市の農業法人甲賀もち工房は、複数の農家が集まって加工、販売を手がけています。94年に活動を始め、06年に法人化し、契約農家から仕入れたもち米を使い、正月用のもちのほか草もちや米粉のめんを作って直売の施設で売り、売り上げは、もち米をそのまま売る場合の以上だそうです。近年ではウインナーを挟んだ『満ぷくたい焼き』、『ロールケーキ』などの米粉入りの製品などにも力を入れているそうで、商品を売るために商品そのものに加え、商品名や、包装にもこだわり、発想の転換を図る必要があるとのことです。

 また、もち工房は若者から高齢者までの雇用促進にもつながったそうです。

 一方では毎年もちの魅力をアピールする「甲賀もちふる里まつり」を開催し、全国発信と共に住民にも親しまれているそうです。

 甲賀市のもち米を活用した町おこしの取組みは、地域に活気を与えているようにさえ思われ、わが町の6次産業の発展のために参考にできるところは是非取り入れ、今後さらなる検討をしていきたいと思いました。

みにかいせつ

第6次産業
第1次産業(農林業)、2次産業(製造業)、3次産業(小売業)を組み合わせた新しい経営形態を指す。農業を続けながら利益を上げ、それぞれの土地の資源を有効に活用することで、地域活性化にもつながると期待されている。

コの字に設置された長机の席に参加者が座り右手前に立っている女性が立ち意見を述べている白黒写真

6次産業振興について熱心に質疑を交わす(甲賀もち工房)

人と防災未来センター 津波防災ステーション 北淡震災記念公園

 私たち人間には、地震・台風・豪雨など自然災害を未然に防ぐ力はありません。自然災害は起こってしまうものです。しかし、完璧な「防災」はあり得ないのです。それなら、被害を少しでも減らす「減災」を考えなければいけません。今回の視察はそんな思いからの調査・研究となりました。
 人と防災未来センターは、阪神・淡路大震災の経験と教訓を未来に伝え、展示や資料、映像や震災体験者からの話から、一人ひとりが災害に対する正しい知識を身につけることができます。

 津波防災ステーションは、平成22年8月に共用を開始し、津波被害を軽減する(1)水門等を自動閉鎖し、津波が町の中に入り込むのを防ぎます。(2)津波発生時の緊急避難場所として。(3)津波警報時の放送。(4)防災学習室の設置の4つの重要な役割を担っているそうです。津波によって大きな被害が出ることが予想される町の現状と合わせて、ステーションの役割の説明を受けました。

 北淡震災記念公園は、地震で現れた国指定天然記念物の野島断層をありのままに保存・展示し、解説されており、将来起こりうる大地震について考えさせられました。

 被災経験に基づいたこの研修では、時間が経てば経つほど忘れがちになる苦い経験を再度思い起こさせられ、一人ひとりが危機感への意識を持ち、「減災」に努めるのことの重要性を改めて認識させられました。

丸窓が設置された2つの円柱の津波防災ステーションの建物の前で関係者が集まっている白黒写真

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