町長メッセージ 2024年
令和6年3月5日 3月議会行政報告
はじめに
本日ここに、令和6年第1回明和町議会定例会を招集させていただきましたところ、議員の皆様には公私何かとご多用の中、本定例会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。
さて、2月7日に亡くなられた世古口哲哉町長にはあらためて哀悼の意を表するとともに、皆様のご支援のもと、これまでの故人の業績に対して深甚の敬意を表します。
本年元日に発生した能登半島地震では、尊い人命のほか、建物やライフラインの被害も甚大であり、いまだ避難生活を強いられている皆様もみえます。あらためてお見舞い申し上げるとともに、町としてもこれまでの複数回にわたる職員派遣を今後も継続して行い、微力ではありますが被災地復興につなげていきたいと考えております。
本定例会の会期については本日から11日間とお決めいただき、諸案件のご審議を賜りますことに対し、厚くお礼を申し上げます。本定例会は、令和5年度を締めくくるとともに、新年度予算のご審議を賜る議会でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
そして、この3月11日には東日本大震災から13年が経過します。マグニチュード8から9クラスの南海トラフ地震が今後40年以内に発生する確率は90%程度とされており、いつ発生してもおかしくない状況にあり、能登半島地震の状況なども踏まえて、大切な命を守り、被害を少しでも抑えるためには、「自助」、「共助」、「公助」それぞれが災害対応力を高め、連携することの重要性が改めて再認識されています。
町といたしましては、引き続き防災・減災の取り組みを進め、町民の皆様にとって安全で安心な暮らしやすいまちの実現に向けて努めてまいります。
さて、令和6年度の政府の予算案は、歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取る予算として、「経済」「社会」「外交・安全保障」「能登半島地震への対応」「歳出の効率化」をポイントとしています。
当町におきましては、厳しい財政状況が続く中ではありますが、一般会計の予算総額は130億9,800万円、特別会計、公営企業会計を含めた総額は223億7,706万7千円の当初予算を編成いたしました。
なお、新年度予算の詳細な内容につきましては、本定例会で詳しくご説明させていただきますので、よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、昨年12月の定例会以降、本定例会までの主な動きにつきまして、簡略にご報告をさせていただきます。
斎宮大儺(さいくうたいな)と百鬼夜行(ひゃっきやこう)
昨年12月31日のおおみそか、明和観光商社により平安時代の大みそかに宮中で行われていた行事「追儺(ついな)」にちなんで「斎宮大儺(さいくうたいな)と百鬼夜行(ひゃっきやこう)」が行われました。イベントでは、行く年の厄を祓って新年に福を呼び込もうと、参加者が鬼に扮し斎宮地内を練り歩きました。この日は中国からの観光客も参加され、明和町に親しんでいただきました。
初日の出を迎える会
1月1日、「初日の出を迎える会」が大淀海岸で行われ、初日の出を一目見ようと大勢の方が訪れました。この催しは、明和町観光協会が企画し開催されているもので、今年は新たな試みとしてキッチンカーが出店され、甘酒やぜんざいが販売されました。明和太鼓の皆さんによる太鼓演奏も披露され、イベントを盛り上げていただきました。今年は天候にも恵まれ、大淀海岸から富士山を見ることができました。美しい初日の光に照らされながら、訪れた人たちは家族や友人などと新年の幕開けを祝っていました。
明和町二十歳の集い
1月7日、Dreamオーシャン総合体育館で、「明和町二十歳の集い」を開催しました。今年度、明和町で二十歳を迎えた方は228名で、そのうち式典には185名が出席され、仲間や恩師との再会を喜ぶ姿が見られました。また、「二十歳の集い 代表の言葉」では、喜多駿斗(きた しゅんと)さんが、家族や恩師・仲間への感謝の気持ちや二十歳の決意を述べられました。二十歳を迎えられた皆さんには、この節目を機に夢や目標に向かってこれからも頑張っていただきたいと思います。
石川県輪島市に町職員を派遣
元日に発生した能登半島地震の復興支援のため、三重県の対口(たいこう)支援先となっている石川県輪島市に町職員を派遣しました。1月11日から5日間は、主に避難所運営支援として税務課住民税係長の大西由晃(おおにし よしあき)、2月12日から5日間は、主に避難所運営支援として総務防災課消防係長の高山哲(たかやま さとし ※「高」は正式には はしごだか)、2月28日から5日間は、主に保健師業務支援として、健康あゆみ課の東谷真希(あずまや まき)の3名を派遣しました。今後も順次職員を派遣する予定となっており、被災地の1日も早い復興を目指していきます。また、被災地支援から戻った職員は報告会を行い、明和町で災害が発生した場合に役立てられるよう情報を共有しています。
明和町消防団出初式
1月14日、明和町消防団出初式が行われ、団員55名や行政関係者が出席しました。式では、長年、団活動に尽力されてきた団員が表彰されました。団員の皆様におかれましては、今後も消防精神にのっとり、高い士気を持って、活動に励んでいただきたいと思います。
済生会明和病院院長、三重大学医学生との意見交換会
1月17日、医師不足や診療科のかたよりなどの地域課題について、済生会明和病院 冨本秀和(とみもと ひでかず)病院長と、世古口明和町長、三重大学医学部の学生で明和町出身の谷口空(たにぐち そら)さんと意見交換会を行いました。意見交換では、地域医療の現状や課題、患者さんをサポートするために地域社会と協力することが大切であるなどと話されました。明和町では、今後も病院・医師・学生と交流を図り、地域医療の改善に取り組んでいきます。
包括連携協定を締結
2月10日、明治安田生命保険相互会社様と包括連携協定を締結しました。締結式には、同社から津支社の清水支社長をはじめ関係者にご出席いただきました。連携する事項は、健康づくり、観光・産業の振興、マイナンバーカードの普及、生涯学習の推進などのほか、まちづくりに関することで、互いに情報及び意見を交わし、連携して取り組みを進めていくものです。
また、2月17日には、株式会社アイモバイル様と包括連携協定を締結しました。同社とは平成26年からふるさと納税事業全般において連携を図ってきましたが、この度、ふるさと納税のほかにクラウドファンディングや新エネルギーの推進など8項目において連携を図る協定を結ぶことになりました。締結式には同社事業企画本部の加藤本部長をはじめ関係者にご出席をいただきました。今後は、連携事項を効果的に実施するため、しっかりと関係を築きながら取り組みを進めていきたいと思います。
業務デジタル化に向けた研修会を開催
1月29日、地域の労働力が著しく不足すると予測される2040年問題に向け、明和町はデジタルを活用し住民サービスの向上を図ることを目的とした職員研修を行い、明和町の課長級と係長が参加しました。研修では、今後増え続ける業務や住民ニーズを少ない職員で対応するには、デジタル技術を活用することが不可欠であることを学んだり、2040年の理想状態を実現するための現状の課題を洗い出しました。明和町では、今後、デジタルを活用し住民の皆さんが住みやすいと実感できるまちづくりを目指していきます。
デジタルめいわフェス
2月4日、最先端のデジタル技術を体験できるイベント「デジタルめいわフェス」を行いました。明和町では、「持続可能な観光地域づくり」の一環として、最先端デジタル技術を活用して全世界の人に明和町の魅力を発信する「めいわデジタル観光プロジェクト」に取り組んでいます。イベントでは、プログラミング体験やメタバース体験、ドローンの操縦体験などを実施し、多くの親子づれで賑わいました。地域の方々には、このような体験を通して、デジタルを活用した明和町の取り組みについて理解を深めていただけたかと思います。
-美村プロジェクト- 美村パスポート・ヘルスケアアプリ利用開始
2月6日、多気町・大台町・明和町・度会町・紀北町と企業などが連携し地域活性化を目指す「美村プロジェクト」の取り組みとして、スマートフォンアプリ「美村パスポート」や「ヘルスケアアプリ」の運用を開始しました。美村パスポートは、デジタル地域通貨「美村PAY(びそんペイ)」で決済したり、ヘルスケアアプリはイベントに参加すると健康ポイントが貯まる仕組みになっています。またヘルスケアアプリには、日々の健康管理をしたりオンラインで健康相談を受けられるなどの機能も盛り込まれています。このアプリが普及することで、地域活性化につながることを期待しています。
世古口哲哉町長 ご逝去
2月7日、交通事故により世古口哲哉町長が逝去されました。世古口町長は、平成30年12月から第18代明和町長を務められ、『笑顔が輝く「住みたい」「住み続けたい」明和の実現』を旗印に、様々な施策に積極的に取り組まれ、町の発展に尽力されました。つながり・育み・安心・創造を施策の柱として掲げ、堅実な財政健全化に取り組みつつ、子ども食堂の開設、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の創設、小学校区編制、デマンド型交通の導入、道路防災事業の着手、一般社団法人明和観光商社の設立、新型コロナウイルス感染症対策による商品券の発行、デジタル化の推進など、明和町民や明和町のことを常に考え、次世代を見据えた町政運営を行ってきました。世古口町長の多大な功績を偲ぶとともに心よりご冥福をお祈りいたします。
第17回美し国三重市町対抗駅伝
2月18日、第17回美し国三重市町対抗駅伝が開催されました。明和町チームの選手たちは、懸命な走りをみせていただき、タスキを途切れることなく繋がれ、町の部10位、総合21位でゴールされました。また、前回の大会よりタイムの上げ幅が増進したため「敢闘賞」を受賞されました。改めて、健闘していただいた選手の皆様や関係者の皆様、そして、沿道で応援していただいた多くの町民の皆様にお礼を申し上げます。
おわりに
諸報告につきましては以上でございますが、本定例会には、人事案件の諮問が2件、承認が1件、条例の制定が1件、条例の一部改正が15件、条例の廃止が1件、その他の変更が2件、令和5年度一般会計補正予算ほか4つの特別会計補正予算と下水道事業会計補正予算、令和6年度一般会計予算ほか5つの特別会計予算と2つの公営企業会計予算の議案を提案させていただくこととしています。
町では「つながり」「育み」「安心」「創造」の施策を柱とした明和町第6次総合計画に基づき、町民の皆様からいつまでも「住み続けたい」と思っていただける郷土愛が育めるまち、町外県外の皆様からは「住みたい」「訪れたい」と思っていただけるまち、興味を持っていただける魅力あるまちの実現に向けて、引き続き町をあげて取り組んでいくことを申し上げ、行政報告といたします。
令和6年6月10日 6月議会行政報告
はじめに
議員の皆様には、公私何かとご多用のところ、本定例会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、ただ今は、本定例会の会期を5日間とお決めいただき、諸案件のご審議を賜りますことに対し、厚くお礼を申し上げます。
はじめに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は今もなお収まっておらず、まだ中東においても紛争が絶えないなど、大変厳しい情勢が続いています。一日も早く平和的解決が図られるよう心から願うばかりです。
また国内を見ても能登半島地震の復旧も思うように進んでいない状況もみられ、町としても県と連携して職員を定期的に派遣してきました。
この様な状況下でありますが、私も3月に就任して2カ月半が経過し、町長としては初の定例会となります。
防災対策の強化はもとより様々な行政施策の課題解消に向けて引き続き取り組んでいきたいと考えております。
それでは、3月定例会以降、本定例会までの間の主な動きにつきまして、簡略にご報告させていただきます。
斎宮幼稚園 最後の卒園式
3月21日、斎宮幼稚園で最後の卒園式が行われました。斎宮幼稚園は昭和55年に開園し、以来44年にわたって地域の子どもたちへの教育活動を行ってきました。これまでに2,473名の卒園児を送り出した斎宮幼稚園は、令和6年3月末をもって閉園となりました。
3月24日執行 明和町長選挙
3月24日、世古口哲哉前町長の急逝に伴う明和町長選挙が執行され、多くの町民の皆様からのご支持をいただき、当選させていただきました。
これからも、町民の皆様や職員との対話を大切にしながら、「住みたい、住み続けたいと思ってもらえる持続可能なまちづくり」に取り組んで参りたいと思っております。
天皇皇后両陛下の長女、敬宮愛子内親王殿下が明和町を訪問
3月27日には、天皇皇后両陛下の長女、敬宮愛子内親王殿下が明和町を訪問されました。愛子さまは、斎宮歴史博物館といつきのみや歴史体験館を視察され、いつきのみや歴史体験館では、明和町 斎宮跡・文化観光課長が平安時代の遊びを紹介いたしました。愛子さまにとって初めてのお一人での地方訪問ということでしたが、町民の皆様に気さくに声をかけていただき、地域の皆様にとっても心に残る訪問となりました。
退庁式・入庁式
3月31日に行った明和町退庁式では、これまで明和町の発展に尽力していただいた職員11名が退職しました。また4月1日の明和町入庁式では、10名の新規採用職員を迎えました。新規採用職員の今後の活躍に期待を込めて私から一人一人に辞令書を手渡しました。それぞれの抱負を胸に業務に取り組んでいただくよう願うとともに、町職員としてのこれからの活躍に期待しているところです。
町の組織機構を変更
また、4月1日には明和町の組織機構を変更いたしました。時代の変化に伴って多様化・複雑化する行政需要に対応していくため組織機構を見直し、これまでの16部署から17部署に変更しました。新体制となった明和町では、職員一丸となって、町民の皆様により良い行政サービスを提供できるよう努めていきます。
明和町消防団「令和5年度 消防団地域貢献表彰」を受賞
4月18日、地域防災力の向上や消防団員の確保等に特に積極的に取り組む消防団として、明和町消防団が総務大臣表彰「令和5年度 消防団地域貢献表彰」を受賞しました。この表彰は、総務省により令和5年度に創設されたもので、令和5年度は全国38団体が受賞し、明和町消防団は三重県内で初めてかつ唯一の受賞となりました。
「高齢者等の見守りと支援に関する協定」を締結
4月19日、医薬品の製造や配送を行う株式会社スズケン伊勢支店と明和町が「高齢者等の見守りと支援に関する協定」を締結しました。明和町では、今年4月1日現在で高齢化率が30.8%となっており、認知症と診断されている高齢者も年々増加しています。スズケン伊勢支店は、日ごろから医薬品の配送で明和町を巡回しているということで、巡回中に明和町の高齢者の異変に気づいた際は、役場に連絡いただくことになっています。明和町と事業者との高齢者見守り協定は今回で7件目となりました。
賛歌(さんか)「明けの星(あけのほし)」がお披露目
5月5日、明星出身の作曲家長岡成貢さんと、明星在住で文筆家の千種清美さんが、地元の明星神社を盛り上げようと制作した賛歌(さんか)「明けの星(あけのほし)」がお披露目されました。お披露目会には、明星小学校の子どもたちもコーラスで参加し盛り上げてくれました。このように地域を大切に思う気持ちが広がっていけばうれしく思います。
明和ふるさと体験学習
5月10日、明和中学校で明和町の特色や良さを発見する「明和ふるさと体験学習」が始まりました。これは、令和8年度の小中一貫教育開始を前に今年度から試行的に始めたもので、これから生徒たちは、明和町の歴史や伝統などを、現地学習をしながら探究し、明和町の魅力を発信できる力を身に着けていく予定です。この学習が、明和を愛し誇りに思う子どもたちの育成につながることを期待しています。
斎王まつり
6月1日には、明和町を代表するまつりの一つ「斎王まつり」が行われ主催者発表で約3万人という大勢の人で賑わいました。今年は、斎王群行が8年ぶりに伊勢街道を通り、斎王にゆかりのある竹神社に群行が立ち寄る演出もありました。斎王まつり実行委員会をはじめ携わられた多くの関係者の皆様には、ご多忙の中懸命に取り組んでいただきましたことに対し深くお礼申し上げたいと思います。
各会計予算の執行
次に、先の第1回定例会でお認めいただいた各会計予算でございますが、議員の皆様から頂戴したご意見、ご提言を念頭に置き、執行しているところです。そして、国・県の動向に鑑み、繰越明許事業も含め早期執行に向け、各課におきまして鋭意事業推進を図っているところでございますが、今回は一部投資的事業も補正予算でお願いすることとしています。
おわりに
なお、本定例会の上程議案につきましては、専決処分した事件の承認が2件、繰越明許費計算書の報告が5件、条例の一部改正が2件、そして、令和6年度一般会計補正予算ほか2つの特別会計補正予算をお願いしています。よろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
今後も、町民の皆様が安全安心に、日々の暮らしを営んでいただけるよう、最大限の努力をして参りますので、町民の皆様、議員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。
令和6年6月10日 令和6年度施政方針
令和6年第2回明和町議会定例会にあたり、令和6年度の行政運営に対する私の施政方針について申し述べますので、議員の皆様並びに町民の皆様からのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
町を取り巻く情勢
昨今の国内外の情勢は、行政報告でも申し上げましたが、ウクライナ侵攻や中東地域における不安定な国際情勢によって、エネルギーをはじめとした物価高騰など、私たちを取り巻く環境に大きな変化が生じているとともに、国内においても少子高齢化による人口減少、労働力人口の減少、いわゆる2040年問題など、厳しい社会経済情勢の中にあります。
その中で明和町におきましても、「人口減少」、そして「2040年問題」を見据えて様々な施策の推進の必要性が高まっています。また、持続可能な社会への関心が高まり、様々な場面でのSDGsへの取り組みが求められており、将来を予測することが難しい時代の中で、社会経済情勢や財政状況を踏まえ、事業の必要性、費用対効果、優先順位を慎重に精査し、徹底した事業の選択と集中をしていかなければならない状況にあります。
基本姿勢
私は、公約として、今まで一緒に町政運営を担ってきた故世古口町長の想いや、町の第6次総合計画にもあります「住みたい 住み続けたい 豊かなこころ育む 歴史・文化のまち 明和」を実現していくために、総合計画の基本的な方向性である
「つながり 人と人とが支えあい尊重するまち」
「育み 地域とともに人が育つまち」
「安心 安心安全な暮らしやすいまち」
「創造 産業が元気で活力のあるまち」
の4つの柱を継承して町政運営を行って参ります。
1つ目の「つながり 人と人とが支えあい尊重するまち」として、
・地域共生社会の実現に向けての取り組みや、個人や世帯が抱える複合的な課題などへの支援を進めます。
・健康づくり事業を推進することで、健康寿命の延伸を目指し、高齢者の活躍の場づくりを進めます。
・障がい者の自立に向けた支援の充実を目指し、人権を尊重し、多様性を認め合う社会を推進していきます。
2つ目の「育み 地域とともに人が育つまち」として、
・明和北小学校などの整備や完成後の学校づくり、学校と地域をつなげるコミュニティスクールについて円滑な運営ができるよう取り組み、小中一貫教育の実施に向けた整備への取り組みを進めます。
・学校施設等の跡地利用の活用についての取り組みを進めます。
・通級指導教室や教育支援センター設置に引き続き取り組みを進めます。
・新たな子育て施策の検討とこどもの居場所づくりの新展開に努めます。
・こども食堂(みんなの食堂)の町内への拡大に努めます。
・郷土愛を育むことができる教育に努めます。
・中学校対象の夜間塾「明和学びの里」の充実を図ります。
・こども家庭センターの整備を進めます。
・障がい児への切れ目ない支援体制の充実を図ります。
・障がい者スポーツも含めたスポーツ振興に取り組みます。
3つ目の「安心 安心安全な暮らしやすいまち」として、
・防災・減災対策の推進と消防力の維持・向上に努め、災害に備えて、平時から命を守る情報等の発信に努めます。
・デマンド交通、町民バスによる地域公共交通の充実を図ります。
・空き家バンクの充実を図るとともに、特定空家等への対策に努めます。
・温室効果ガス削減に向けた取り組みを進めます。
・浄化槽整備・管理方針の策定と雨水排水計画の見直し、環境保全に努めます。
4つ目の「創造 産業が元気で活力のあるまち」として、
・公共施設の長寿命化計画に基づいた維持管理に努めます。
・役場庁舎については老朽化や新耐震基準を満たしていないことから、財政面での課題がありますが、防災の観点からも総合防災センター(仮称)の整備計画について検討していかなくてはならないと考えています。
・民間の資金や経営手法・技術力を活用した公共施設などの整備に努めます。
・史跡斎宮跡内では、人々が生活や生業をしておられます。それを念頭に置きながら文化財の保存と活用の両立を図って参ります。
・財政面については、財政健全化プランに沿った財政運営を行い、歳入確保の手段としてふるさと納税、企業版ふるさと納税の拡充に努めます。また、新たな財源の確保や事業の集約化や縮小、公共施設の統廃合などに取り組んでいく必要があります。
・町民の皆様の利便性と行政事務の効率化を図るため、デジタル化の推進を図ります。
・産業振興の推進として、後継者の育成支援や起業を目指す方への支援、大型商業施設周辺地の活性化を図るための検討、農地の集積や遊休農地対策の取り組み、漁港の活性化や利活用の取り組み、担い手の育成や6次産業化を支援に努めて参ります。
このほかにも山積する諸課題の解決に向け、町長としての職務の重責をしっかりと認識し、町民の皆様との対話を大切にし、「住みたい 住み続けたい 豊かなこころ育む 歴史・文化のまち 明和」の実現と笑顔があふれる持続可能なまちづくりに取り組んでいく所存でございます。
令和6年度予算の概要
令和6年度予算につきましては、世古口町長の突然の訃報を受けて、義務的・経常的な行政経費と継続事業に係る経費を中心とした骨格予算として、一般会計予算130億9,800万円、特別会計と公営企業会計も含めた全会計の総予算額223億7,706万7千円で新年度がスタートしたところです。
今回の補正予算では、防災行政無線デジタル化整備事業や帯状疱疹ワクチン接種助成事業などに加え、デジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)やみえ子ども・子育て応援総合補助金などの補助金の採択を受けている各補助事業の予算を計上しており、当初予算と合わせて、本年度の事業を進めて参りたいと考えております。
なお、予算の詳細につきましては、各議案の提案の際に説明いたします。
おわりに
最後に、町民の皆様、議員の皆様には、より一層のご理解とご協力を賜りますよう心から申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。
令和6年9月3日 9月議会行政報告
はじめに
議員の皆様には、公私何かとご多用のところ、本定例会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、ただ今は、本定例会の会期を11日間とお決めいただき、諸案件のご審議を賜りますことに対し、厚くお礼を申し上げます。
さて、政府は、7月29日に閣議了解された「令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」の中で、歳出全般にわたり、施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化することとしています。そして、地方交付税交付金についても、「新経済・財政再生計画」との整合性を保ちながら、要求を行うことが求められています。また、持続的・構造的賃上げの実現や、官民連携による投資の拡大、少子化対策・こども政策の抜本的強化を含めた新しい資本主義の推進が強調されており、これらの重要政策については「重要政策推進枠」を設けることが示されています。
町では、これらの国の動向を注視しつつ、令和7年度当初予算の編成において、財政健全化プランの基本理念である「選択と集中」を推進し、施策の重点化と効率化を図り、「持続可能」な財政運営を目指してまいります。さらに、デジタル社会への対応や新技術の導入を進め、次世代型行政サービスの実現を図りつつ、経済波及効果や質・効率の高い行財政運営に取り組んでまいります。
今後も、国や県の動向をしっかりと把握し、各部署と協議を重ね持続可能なまちづくりを推進するための予算編成を進めてまいります。
それでは、6月定例会以降、本定例会までの間の主な動きにつきまして、簡略にご報告させていただきます。
高木謙治副町長が就任
(※「高」は正式には はしごだか)
今年3月15日以降、3か月半空席となっていた明和町副町長に、三重県職員の高木謙治さんを任命し、7月1日に辞令書を手渡しました。副町長選出を県に依頼した際、財政に明るく調整能力に長けた方とお願いし、高木さんを選出していただきました。高木副町長を迎え、今後より一層 県との連携を密にし、より良い住民サービスの提供に努めてまいります。
大淀ふれあいキャンプ場 安全祈願祭
7月7日、明和町観光協会主催の「大淀ふれあいキャンプ場 安全祈願祭」が行われました。神事では、明和町観光協会や地元自治会の方々、行政関係者などが参列しキャンプ場や大淀海岸の利用者の安全を願いました。神事のあとには、明和太鼓保存会の演奏や、明和音頭保存会の踊り、チアダンスグループ チェリーボンボンのダンスが披露され賑わいました。キャンプ場や海岸での事故がなく、皆さんが安全に楽しんでいただけるよう願っております。
「電気自動車を活用した持続可能なまちづくりに関する包括連携協定」を締結
7月8日、明和町と日産自動車株式会社・日産プリンス三重販売株式会社が、「電気自動車を活用した持続可能なまちづくりに関する包括連携協定」を締結しました。この協定により、今後明和町で災害が発生した場合、日産プリンス三重販売株式会社が保有する電気自動車を最大3台まで避難所に配備することが可能となりました。避難所では、電気自動車を非常用電源として、冷暖房器具の使用やスマートフォンの充電など様々な活用が期待されます。また平常時には、学校で環境に関する出前授業を行うことが可能となりました。
岸田内閣総理大臣が商業リゾート施設VISONを視察訪問
7月31日、岸田内閣総理大臣が多気町にある商業リゾート施設VISONを訪れ、地方活性化を目指す国の政策「デジタル田園都市国家構想」に取り組む 多気町・明和町・大台町・度会町・紀北町の事業を視察しました。岸田内閣総理大臣に、5町が取り組むスマホアプリ「美村パスポート」やデジタル地域通貨「美村PAY」をご紹介しました。またこの日、全国初となる「デジタル田園都市の町」を5町の代表が揃って宣言しました。
令和8年度開校予定 明和北小学校の校歌のヒントとなるキーワードを募集
8月1日から、令和8年度開校予定の明和北小学校の校歌のヒントとなるキーワードを募集しています。校歌の作詞は明和町在住の文筆家 千種清美さんに、また作曲は明和町出身の作曲家 長岡成貢さんに依頼しています。地域の皆さんの思いを込めた素敵な歌詞や曲に仕上がることを期待しています。
木造大日如来坐像(もくぞうだいにちにょらいざぞう)を明和町指定文化財に指定
8月1日、明和町教育委員会は、下御糸地区八木戸にある薬師寺の「木造大日如来坐像(もくぞうだいにちにょらいざぞう)」を新たに明和町指定文化財に指定しました。この仏像は密教の彫刻仏像で平安時代後期のものとみられています。この仏像が八木戸集落に古い歴史があることを物語る重要な資料であることや、町内の数少ない密教の仏像であることなどから、大変貴重な文化財として指定しました。長く受け継がれてきた八木戸の宝をこれからも大切に守り伝えていきたいと思います。
大淀衹園祭
8月2日・3日に、大淀衹園祭が行われました。昨年270周年を迎えた衹園祭ですが、近年の少子高齢化や世帯数の減少などにより、囃子方(はやしかた)や山車(だし)の曳き手(ひきて)が減ってきています。大淀地区では、この問題に地域一丸となって取り組むため「大淀衹園祭の未来を考える会」が中心となり、東区・三世古・山大淀の地区が協力し、お囃子の音色を後世につなぐ努力をされています。長年守り伝えられてきた祭りですので、これからも大切につないでいただきたいと思います。
コミュニティスクールと小中一貫教育に関する説明会
8月6日、コミュニティスクールと小中一貫教育に関する説明会を開催しました。コミュニティスクールは、文部科学省が推進する新しい学校制度で、学校運営に地域の声を積極的にいかし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていく取り組みです。現在明和町では、令和8年度の明和北小学校の開校に向けて、コミュニティスクールの発足及び小中一貫教育カリキュラムの作成を進めています。この日集まっていただいた地域の皆様には、明和町が目指す教育について理解を深めていただきました。
めいわ大(だい)盆踊りまつりと産学官民連携夜間防災訓練
8月18日、めいわ大(だい)盆踊りまつりと産学官民連携夜間防災訓練が行われました。この催しは、明和町で継承されている「明和音頭」を伝え、世代間交流につなげるとともに、防災訓練への参加率向上を図ることを目的に実施したものです。会場のイオンモール明和の駐車場には約4,000人が集まり盆踊りを楽しんだほか、午後10時からは避難所体験訓練が行われ、津波緊急避難場所となっているイオンモール明和屋上駐車場へ、スロープを歩いて上るなどの訓練を実施しました。このようなイベントを通して、住民の防災意識を高めていければと思います。
「災害時における医療材料等の供給に関する協定」を締結
8月20日、明和町と株式会社スズケン伊勢支店が、災害時における医療材料等の供給に関する協定を締結しました。この協定により、災害時、明和町が実施する医療救護活動に株式会社スズケンがハンドジェルやマスクなどの医療用品を有償で提供してもらうことが可能となりました。スズケン伊勢支店とは、今年4月に高齢者の見守りに関する協定も締結しています。これからもあらゆる分野の企業や団体と連携し、有事の際に備えていきたいと思います。
おわりに
次に、本定例会の上程議案につきましては、規約の一部変更協議が1件、条例の制定が1件、条例の改正が3件、明和町道路線の認定が1件、令和5年度水道事業と下水道事業の会計未処分利益剰余金の処分があわせて2件、令和6年度一般会計補正予算ほか3つの特別会計補正予算と水道事業会計補正予算、そして、令和5年度の各会計の決算認定をお願いすることとしています。
今後も、町民の皆様が安全安心に、充実した暮らしを営んでいただけるよう精一杯取り組んでまいりますので、議員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げ、行政報告とさせていただきます。
令和6年12月9日 12月議会行政報告
はじめに
議員の皆様には、公私何かとご多用のところ、本定例会にご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、ただ今は、本定例会の会期を5日間とお決めいただき、諸案件のご審議を賜りますことに対し、厚くお礼を申し上げます。
さて、10月27日には衆議院議員総選挙が執行され、11月11日には新内閣総理大臣が選出され、閣僚人事が行われ、第2次石破内閣がスタートしました。
今後の優先課題として、1.厳しさを増す安全保障の対応、2.治安・防災への対応、3.経済の活力回復が挙げられています。
特に、治安・防災での対応が挙げられていることは、この地域でいつ起きてもおかしくないとされる「南海トラフ地震」への防災対策を進める中でも積極的な国の支援を期待しているところです。
また、経済の活力回復の中では、これまで以上に地方創生を活性化の起爆剤とされ、地域が活性化する地方創生施策がどのように具体化されていくのか注視しているところです。
今後も、国・県の動向を注視しながら町政運営を進めていきたいと考えております。
それでは、9月定例会以降、本定例会までの間の主な動きにつきまして、簡略にご報告させていただきます。
小学校などで「認知症キッズサポーター養成講座」と「虐待防止講話」
明和町では、今年度から地域の方々に認知症や虐待に対する正しい知識をつけてもらおうと、小学校などで「認知症キッズサポーター養成講座」と「虐待防止講話」を開催しています。9月には斎宮小学校4年生を対象に実施し、以降、順次小学校などを巡回しています。講座を受講した児童は「認知症キッズサポーター」に認定させていただきました。このような取り組みを通じ、高齢者や認知症に対する理解が広がり、地域全体で支援していきたいと思います。
美村エリアとNHKアニメ「忍たま乱太郎」とのコラボ企画を実施
9月21日から10月20日までは、多気町・明和町・大台町・度会町・紀北町の5町で構成する美村エリアと、NHKアニメ「忍たま乱太郎」とのコラボ企画として、各町を巡るスタンプラリーなどの周遊企画を実施しました。5町全て巡ると忍たま乱太郎のアクリルジオラマがもらえるなどの特典があって、人気を博しました。多くの方々に5町の魅力を感じてもらうきっかけになったかと思います。
新規採用職員を迎えました
10月1日付で、建築士1名・事務職2名の3名を新規に採用しました。明和町では新たに加わった3名の新規職員を迎え、全職員一丸となって「住みたい 住み続けたいまちづくり」を目指し、今後も取り組んでいきます。
町内小学校の3年生がスポーツ交流
10月1日、大淀小学校・上御糸小学校・下御糸小学校・斎宮小学校の4校の3年生がスポーツを通じて交流しました。当日は学校の垣根を越えて児童が混合でグループを作り、子どもたちは協力しながら楽しむ様子が見られました。各学年でこのような交流を行っており、令和8年度からの新生活がよりスムーズにスタートしてほしいと思います。
防災サバイバルアクション
10月から、南海トラフ地震に備える訓練「防災サバイバルアクション」を、下御糸地区・上御糸地区・明星地区・斎宮地区の皆さんと連携して実施しました。訓練では、起震車体験や防災アドバイザーの講話、元日に能登半島地震を体験した大淀小学校教諭の講話を聞くなどし、改めて備えることの重要性を学んでいただきました。いつ起こるかわからない災害に備えてあらゆる対策を講じていきたいと思います。
「デマンド交通広域連携プロジェクト」出発式
10月25日、多気町と明和町が取り組む「デマンド交通広域連携プロジェクト」の出発式を行いました。このプロジェクトは、多気町が運行するエリア乗り合いタクシー「でん多(た)」と明和町が運行する「チョイソコめいひめ」が、AI機能を使用し連携することで、これまで公共交通での移動手段がなかった多気町と明和町の区間を、車両を乗り継いで、行き来ができるようにしたものです。約3カ月間実証運行し、課題を検証しながら本格運行を目指していきます。
「子育てDX実証プロジェクト」を開始
10月30日、子育て関連の行政手続きをスマートフォン等で行う「子育てDX実証プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトでは、「行かない・待たない・書かない」をポイントとしています。またプロジェクトの普及活動を行うアンバサダーに、町内4名の方に就任していただきました。今後アンバサダーの力もお借りしながら、地域の皆様に便利に使っていただけるよう、情報発信していきたいと思います。
斎宮文化芸術祭
9月から1月まで斎宮文化芸術祭を開催しています。11月には、斎宮平安絵巻プロジェクションマッピングや、斎宮奉納薪能などのプログラムを実施しました。中には外国人観光客の姿も見られ、より多くの方に斎宮の魅力を感じていただけたかと思います。
斎宮きららの森で植樹祭
11月16日には、斎宮きららの森で植樹祭を行いました。この植樹祭は、公益財団法人岡田文化財団の「三重県さくらプロジェクト」の一環で、寄贈いただいた桜の苗木100本を地域の皆様と一緒にきららの森に植樹しました。この苗木は5年ほどで花をつけ20年後には立派な木に成長するということです。きららの森がさくらの名所になるのが楽しみです。
県史跡坂本古墳群 指定20周年記念講演会
11月23日には、県史跡坂本古墳群 指定20周年を記念し、講演会を開催しました。講演会では、発掘調査でわかったことや、金銅装頭椎大刀(こんどうそうかぶつちのたち)が出土した際のエピソード、坂本1号墳の被葬者像などが語られました。会場に訪れた皆さんには、坂本古墳群の文化財的価値を改めて知っていただけたかと思います。今後も坂本古墳群を地域の大切な文化財として継承していきたいと考えています。
書家 根本知(ねもと さとし)さんのトークショー
11月24日には、NHK大河ドラマ「光る君へ」の題字を揮毫(きごう)した書家の根本知(ねもと さとし)さんのトークショーが行われました。根本さんには、かな文字の魅力や大河ドラマの題字の制作秘話などを語っていただきました。大河ドラマ「光る君へ」の影響で、平安時代や斎宮に注目が集まっています。この絶好の機会を生かし、全国に斎宮の魅力を発信していきたいと思います。
おわりに
次に、本定例会の上程議案につきましては、固定資産評価審査委員会委員の選任同意が1件、指定管理者の指定についてが1件、条例の制定が3件、一部改正が2件、令和6年度一般会計補正予算ほか2つの特別会計補正予算と水道事業会計並びに下水道事業会計の補正予算をお願いすることとしています。
今後とも、町民の皆様、議員の皆様のご理解とご協力を賜りながら、町内外の多くの皆様から「訪れたい」「住みたい」「住み続けたい」と思っていただけるまちの実現に向けて、最大限の努力をしていくことを申し上げまして、行政報告とさせていただきます。